地震予知

占いによる地震予知は可能だろうか。改めていくつかの側面から考えてみたい。

1.実は占いが当たっていたという発言は、当たっていないことの証明である。
地震が起きてから、「発表していなかったが」とか「こう解釈すれば当たっていた」などということを言い出す占い師がいる。これは、要するに当たっていなかったということなのだ。普段から占いは当たるということを証明するのに必死なのに発表していないというのはおかしいし、別の解釈を持ち出さなければ当たったことにならないというのは、要するにはずれていたということだろう。
2.時期ははずれたが、方位は当たっていたなどという言い訳
人との待ち合わせをすっぽかしてしまったとき、場所はあっていたが、時刻が違っていたなんて言い訳が許されるだろうか。自然科学の分野での有効な予知とは、「発生確率は50%以上、発生時刻の精度は一日以内、発生場所*1の精度は50km以内*2」だとする立場もある。自然科学は帰納法だから完全に正しいとは言えないが、占いは演繹だから正しい等ということをいう占い師は、これくらいの精度で地震を予知するべきだろう。

*1:方位よりはるかに条件が厳しいことに注意

*2:R. J. Geller, Predictable publicity. Seismol. Res. Lett. 1997;68:477-80.